ブルートレインあけぼのに泊まってきました【その1】
train 2015.11.20 Fri
11月15日、ブルートレインあけぼのに泊まってきました。
かつて秋田・青森と上野を結ぶ寝台特急として運行された「あけぼの」。
2014年3月に定期運行が終了、臨時運行も2015年1月をもって終了しました。
その後、一部の車両が秋田県小坂町の「小坂鉄道レールパーク」に譲渡されました。
それも、ただ車体を保存するだけでは無く「宿泊施設として」利用する為という事でした。
小坂鉄道レールパークに行ってきました
9月に訪れた時には、開放式B寝台車の一両が一般公開されていました。
そのあけぼのが、ついに10月31日より宿泊施設「ブルートレインあけぼの」としてオープンしました。
北斗星が廃止されて、現役のブルートレインに乗れる機会が無くなってしまった今。
現役当時そのままの寝台車に泊まれるというのは貴重な機会ではないでしょうか。
そんな「あけぼの」に泊まりに行く事にしました。
午後6時頃に到着した小坂鉄道レールパーク。
秋も深まり日が落ちるのも早く、辺りはすっかり真っ暗です。
そんな中で明るく照らされる駅舎、そしてブルートレインの車両が目に飛び込みます。
ブルートレインあけぼの!
以前は日中に見ましたが、夜に見ると印象が変わりますね。
車内、尾灯、ヘッドマークが明るく光る様子は現役時代そのままです。
「特急あけぼの 上野」の方向幕も明るく照らされています。
本当に現役時代そのままの雰囲気で、そのまま上野へ走り出しそうです。
宿泊受付にてチェックインします。
受け取ったのは、ご覧のような硬券のチケット。
このような硬券の切符は今ではなかなか見られませんね。
それではB個室寝台車(オハネ24-555)の車内に入ります。
車内は中央の通路を挟んで、左右に個室が並ぶ造りです。
その個室は上段と下段に分かれています。
こちらがB個室(上段)の室内です。屋根のカーブに沿った窓が特徴です。
室内は結構狭く、入口付近を除いて立てるようなスペースはありません。
ベッドに座ると、頭上に少しスペースがあるくらいの高さです。
シーツ、布団を敷いた状態がこちら。(窓から伸びているのは転落防止用ベルト)
ご覧のように、ベッド+αくらいのスペースしかありません。
大きめのカプセルホテルといった具合でしょうか。
でも「一晩だけの自分の秘密基地」が持てたようで、何となくワクワクしてきます。
一方、こちらは開放式B寝台車(オハネフ24-12)。
これぞブルートレイン、という見慣れた座席ですね。
休憩・飲食スペースとして使用できます。(宿泊個室での飲食は禁止となっています)
個室内は狭くてくつろぐのにちょっと…という時でも、ここなら広くてゆっくりできます。
車内にはトイレ・洗面所が設置されていますが、封鎖されており使用できません。
トイレ等を利用するには、車外に出て駅舎内に行く必要があります。
そのトイレ前に設置されているのは冷水機。
今のようにペットボトルの水やお茶が普及する前は、新幹線や特急列車によく設置されていました。
こちらも稼働していませんが、現役時代を思い出させる貴重な設備を見る事ができます。
こちらは駅舎内の休憩室。飲食に利用できるテーブルと椅子があります。
またシャワー室もあり、寝る前や朝に汗を流す事が出来ます。(ただしタオルは持参が必要)
ただ、パーク内には食事のできる店がないので、街中の飲食店に行く事にします。
徒歩数分以内のエリアに、飲食店やスーパーなどがあります。
今回訪れたのはこちら、「日本料理 奈良岡屋」さん。
「日本料理」の店名は敷居が高そうですが、定食類や麺類などお手頃なメニューも揃っています。
ここに来たのは、この店が発祥という「あるメニュー」を食べるのが目的でした。
かつらーめん(800円)
「かつらーめん」とは、ラーメンの上にトンカツ、またはカツの卵とじを乗せたものです。
小坂町内の飲食店で食べる事が出来て、店ごとに味付けが異なります。
その「かつらーめん」発祥の奈良岡屋では、醤油ラーメンに卵とじのカツが乗せられています。
食べごたえのあるカツに、卵の甘みが溶け出した醤油スープが美味しいですね。
かつらーめん元祖の味、美味しくいただきました。
なお訪れた日は日曜日、奈良岡屋さんは本来なら定休日のはずでした。
しかし店の前に行ってみると、何故か明かりが付いて暖簾もかかっていたので不思議に思い入店。
店主さんに聞いてみると、「定休日でもたまに開ける事がある」との事でした。
偶然その開いている日に当たったおかげで訪問できました。本当にラッキーです。
お腹を満たした後は、夜の小坂町を散策してみます。
明治時代に建てられた芝居小屋、康楽館。
こちらは国の重要文化財に指定されています。
白い建物がライトアップされてとても綺麗です。
康楽館前の道路もご覧のように明るく照らされ、とても幻想的です。
お腹も心も満たされて、あけぼのに戻ります。
東京への旅行であけぼのに乗って、ワクワクした一晩を過ごした思い出。
現役時代のあの頃に思いを馳せながら眠りにつきました。
【その2】に続きます。
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